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廃墟サイトの国

今となっては廃墟となってしまったサイトを紹介します

日本にはディズニーより前に「夢の国」があった

 

ドリームランド・メモリーズ

http://members.jcom.home.ne.jp/dream41830/dreamindex.htm

 

サイト内容:テーマパーク施設「横浜ドリームランド」のファンサイト

開設日:2002年3月1日

最終更新:2007年1月21日

 

 昨年、秋から冬にかけて「甘城ブリリアントパーク」というアニメが放送された。賀東招二原作の人気ライトノベルシリーズを原作とした本作は、経営難によって廃園寸前に追い詰められた巨大テーマパーク・甘城ブリリアントパークを、ひとりの男子高校生と妖精達が再建するという設定なのだが、ラノベ原作アニメといえば特に特徴のない脱力系主人公が量産型の美少女たちとハーレムするか、量産型の美少女たちが西洋やら現代やらでドンパチするかといった作品ばかりで辟易していた中で、非常に我の強い主人公があの手この手でトラブルを解決していく本作は、時に笑えて時に緊張感を与えられる、とても面白い作品だった。ドラマ化してもいい線いけるのではないか、と思う。

 しかし、衰退した娯楽施設の再建は現実問題で考えて非常に難しい。不景気の煽りもあって昨今は家族と遊ぶにもデートを知るにも近場で安く済ませましょうという風潮が強く、娯楽も多様性が進む中で、やたら遠くてお金もかかり、何かと騒がしく少子化も進む現代で時代とズレた巨大テーマパークの閉園は後を絶たない。昨年はユニバーサル・スタジオ・ジャパンに新しく出来たアミューズメント「ウィーザーディングワールドオブハリーポッター」の大盛況ぶりや、一度は経営破綻に追い込まれた長崎ハウステンボスの復活など明るいニュースが記憶に新しいところだが、そもそもコンテンツ力や資本力の桁が違う前者はともかく、後者のような復活は奇跡と言ってもいいだろう。

 僕は横浜に引っ越して今年で七年目になるが、横浜にはかつて「横浜ドリームランド(以下横ドリ)」というテーマパークがあったことをずいぶん長く知らなかった。東京ディズニーランドの開園より19年も早い1964年に、「日本のディズニーランドを作る」という理念のもとで「夢の国」というコンセプトをまんま名称に拝借して開園した横ドリは、高度経済成長期の中で一定の支持を集めたものの、開園当初からの経営圧迫材料だったアクセスの悪さ、創園者の死去後に事業主体である日本ドリーム観光で起きた経営権争いの泥沼化、また本家TDN開園後は根こそぎ客を奪われ次第に衰退の一途を辿り、一時期はダイエーに身売りをして糊口をしのぐなどしたが、結局再建の道を見いだせぬまま2002年に閉園。38年の歴史に幕をおろした。

 晩年の横ドリの廃れ具合を画像で見るならこちらこちらがオススメなのだが、今回は横ドリの最も華やいでいた瞬間を切り取っているサイトを紹介したい。

「ドリームランド・メモリーズ」は横ドリの閉園直後にファンの手によって開設された、横ドリの輝かしき思い出を写真などと共に紹介しているサイトである。ページを開くと早速目に飛び込んでくる、横ドリ公式キャラクター「ドリくん」「ランちゃん」の最後の挨拶が涙を誘う。どうやら横ドリは64年の開業時に眠りについた子供達の夢の中に出てきた存在であり、02年の閉園と同時に子供達は長い眠りから目覚めたとの設定のようだ。夢の国という名前だけあってその存在は夢オチだったようだが、浦島太郎にもほどがあるような気がする。

 「思い出の横浜ドリームランド」では、横ドリ全盛期のチケットやパンフレットなどの画像が掲載されていて、ファン垂涎の充実度である。昭和41年に開催された「横浜ドリームランド大防衛博」という、戦後復興真っ只中でに過去の悪しき思い出を揺り起こすようなイベントでは、これまたぶっとんだデザインをした実物の巨大ミサイルや戦車などが展示されていたり、当時の首相であった佐藤栄作がコメントを寄せていたりと時代の寛容さを感じ取ることができる。

 しかしなんといっても注目してほしいのは「結晶」で紹介されている日本ドリーム観光の社内報「結晶」の画像である。昭和42年頃に刊行されたこの社内報、黛ジュンによるショーの写真や日ドリ社員のエピソード、高度経済成長に賑わう横浜を盛り上げたホテルエンパイアの完成やモノレールの開業など、わずか数面の間にも時代の息吹を感じる味わい深い情報が満載なのだ。

 このサイト、04年に一度更新停止してるものの。06年に再開。しかし07年を最後に更新が止まっている。横ドリ自体が終わってしまった、新しいものが供給されないコンテンツなので、それを紹介するサイトもいつかは終わるのが宿命なのかもしれない(別に更新停止を表明しているわけではないのだが)。

 ちなみに横ドリには兄弟分の奈良ドリームランドという施設もあり、こちらは横ドリよりも3年早い61年に開業。しかしこちらも2006年には閉園し、45年という横ドリよりちょっと長い生涯を閉じた。「奈良ドリ」の現在はといえば様々な問題が残る土地に買い手がつかず、遊戯施設などを残したまま廃墟状態にある。



 兵どもが夢の跡。今後のテーマパーク業界は時代の変化とどのように折り合いをつけて歩んでいくのか目が離せないところだ。ちなみに管理人が好きなテーマパークは1000円近くするクロミの具なしカレーが美味しいサンリオピューロランドである。